築炉とは?
築炉とは?
築炉について
築炉とは、耐火煉瓦やキャスタブルなどのあらゆる耐火物を使って、化学工場、製鉄所等で使われる炉や焼却炉などの新設・メンテナンスを行う仕事です。

日常生活の中では築炉という言葉をあまり耳にしませんが、少なからず火や熱が発生する設備にはその熱を保温もしくは高度な遮断を行う為に耐火物のライニング施工が行われ、そこには築炉の技術が取り入れられています。
変遷と現状
耐火物の更新は、十数年前までは殆どの工業炉で、耐火物の状態に係らず計画的に行われていた。最近では耐火物の品質向上に加え、担当者の技術的躍進で耐火物そのものの延命を図っており、部分的な更新に変わっている。
  築炉においては、可動しない壁、床、天井部等は、定形品(れんが等)での施工から不定形品(キャスタブル等)での施工に変わってきている。定形の場合は組み合わせの為、一部が脱落すると全体が緩むが、不定形は一部の焼損だけで、炉全体に影響を及ぼさない。

定形品から不定形品への移行は、最近更に進んでいる。これは不定形品が使い易いという事ではなく、定形品の施工を行なう築炉工が減少した事が、大きな原因となっている。20年前には、築炉工が全国に2200人いると言われていたが、現在では970人程度となっている。築炉業者は後継者の育成を行なってきているが、重労働の上、時代背景も手伝い、なかなか育っていないのが現状である。
各産業別工業炉
  • セメント(セメント焼成炉)
  • ロータリキルン(ロング、レポール)、縦形炉、各所ライニング
  • 石灰(石灰焼成炉、ドロマイト焼成炉、石膏焼成炉)
  • ボイラ・熱風炉・乾燥炉・焼却炉
  • 製鉄・製鋼(焼結炉、溶鉱炉、熱風炉、転炉、混銑炉 他)
  • 圧延・鍛造・鋳造(均熱炉、加熱炉、キュポラ、電気炉 他)
  • 熱処理炉(焼きなまし炉、焼入れ炉、焼戻し炉)
  • アルミニウム・亜鉛・銅・クロム・マンガン・ガラス・耐火物……
セメントプラントにおいても、築炉は製品を作る上で、欠かせないものとなっています。
特にメインと成るキルンにおいては、ライニングの良し悪しが、
ロングラン出来るかどうかの要因の1つになっています。
各産業別工業炉
安心して計画通り稼動する炉には使用する耐火物の品質と設備の運転技術に加えて耐火物を施工する職人の均一化された高度な技術の三拍子が揃って実現され、原価の低減とエコロジーに大きく寄与しています。